Archive

 2008年04月 

馬の眼 

〜馬の眼について〜

誰しも馬の眼にその優しさを感じ、癒される瞬間があったと思います。
実はあの馬の大きな眼は人間の2倍、動物界でも1,2を争う大きさです。あのゾウやくじクジラよりも大きいというのだから驚きです。

馬の眼はタペータムと呼ばれる眼に入った光を増幅させる特殊な装置を備えていて、それは光を効率よく反射して網膜に集めます。薄明かりの中で騎手より馬の方がよく物が見えるのもこのおかげで、また、暗闇の中で馬の眼が猫の眼のように光るのもこのせいです。
馬の眼は340度という広範囲を見渡すことができ、顔前と身体の真後ろの死角を除いて見ることができます。
馬はもともと野生動物で常に敵から襲われる危険があった為、常に警戒しなくてはならないという本能的なものが働き、見えない物は怖いと感じます。
よく馬の後ろから回るなといわれるのもそういう由縁があります。
またちょっとした動きにも敏感で、特にサッとすばやく物には大変驚きます。
馬の顔の前から馬の鼻をなでようとして何気なく手を動かすと馬がビックリして、顔をガクンと天井に上げたなんて経験は皆さんにはないでしょうか?
慣れている馬は平気ですが、若馬や新馬といった馬は大変驚きやすいので、馬の鼻をなでる時は優しくゆっくりと、手を上げる時には手が馬の眼の死角に入らない所からあげるようにしてやるといいと思います。
馬はサッとした動作に弱く驚きやすいです。

馬の眼は顔の両側についていて、普通物を両眼視しておらず、僕たちが片目で物を見る時と同じように奥行きのない映像を見ています。
また、色彩感覚は人間よりはるかに劣っているそうで、その辺りも関与しているのかなぁなんて思います。

しかしながら、馬がどれくらい明瞭に物が見えているかという実験をした所、400メートル以上離れた所から飼い主を見分けたという事実があるそうです。
また、強い光があたった時馬の眼は横長になりますが、それは常に広い視野を保ちたいという必要を満たす適応であり、太陽がぎらつく日差しの中でも瞳孔は小さくなるが、それでも広い視野を保つ事ができるそうです。
馬の眼がいかに外敵から身を守るために優れているかが分かりますね!
 
さて、ここでちょっと今までの話をふまえ、現代の日常生活に視点を置いてみます。

・引き馬をしている時に1メートル先の小石につまずいた。
・餌をあげようとして放牧地の入口に行くと何百メートル先の 放牧地の端っこから一目散に駆け寄ってくる。
・傷害飛越後、馬が振り返って傷害物を見る。(ジャンプ中は 見えないので、後で確認している)
・前足の蹄を裏彫りしていると、おなかについているハエを追 い払おうとした後ろ足にけられる。

などなど、これらも馬の眼の特徴からこういった事が起こります。
僕たちが普段馬と携わる時は、馬の視点から考え行動する事。そうする事によって自分たちの危険を防止すると同時に馬の危険防止につながります。

馬になったつもりで接すれば、普段「何で」と思うことも分かるかも知れませんね!?